泡盛の製造工程

泡盛の製造工程は、
[1] 洗米
[2] 浸漬(米を水に浸すこと)
[3] 蒸し
[4] 黒麹菌の種付け(米麹づくり)
[5] もろみ(水と酵母を加えアルコール発酵)
[6] 蒸留
[7] 熟成(割り水して度数調整)
[8] 容器詰め(銘柄によってはさらに割水をして度数調整し、詰める)

とてもシンプルな酒造りですが、そのひとつひとつの工程で酒造所独自の手法が取られているため、各酒造所の銘柄にはそれぞれ特徴が出てくるのです。

例えば、浸漬や蒸しの時間、温度などが変わると、当然[4]の米麹づくりの段階での黒麹の付き具合(菌糸の伸ばし具合)も変わりますし、それによって米のでんぷん質がどれくらい糖化されるかにも影響します。
また、米麹づくりにも、菌糸の伸ばし具合を抑えた若麹タイプ、逆に米の芯まで菌糸をしっかり食い込ませる老麹(ひね麹)タイプなどがあり、酒造所によって、あるいは造る銘柄によってそれぞれ特徴のある米麹づくりが行われます。
また、使用する黒麹菌も、アワモリ菌、サイトウイ菌の2種類が主流ですが、2つを混ぜて使っている酒造所もあるようです。さらに、最近では、古酒にする際に香り成分をより多く生成する黒麹菌の研究も進められています。
基本的に米麹づくりは約2日(40時間程度)が一般的なようですが、中には3日麹(約70時間)というつくりをしている酒造所もあります。

[5]のもろみの段階では、一般に泡盛101号という泡なし酵母が用いられますが、近年は、花酵母、吟香酵母、黒糖酵母、マンゴー果実酵母など、さまざまな酵母を使って、味わいに特徴を持たせる工夫をしている銘柄も出てきました。また、もろみをアルコール発酵させる際の温度管理も各酒造所の腕の見せどころです。一般的には約2週間といったところですが、低温で少し長めに発酵させるところもありますし、夏と冬では発酵期間を調整して、各酒造所ならではの味わいを出すのです。

[6]の段階で使用するのは単式蒸留機。ここでも、各酒造所は蒸留機の設定や温度管理に気を配っています。

[6]の蒸留直後の泡盛のアルコール度数は50度前後。それに割水をして度数調整し、熟成させます。熟成は、基本的にステンレスタンクで行いますが、中には甕、ホーロータンクなどを用いる酒造所もあります。熟成3年未満の、いわゆる一般酒でも、だいたい半年から1年は熟成させてから、割り水をして度数を調整し、容器に詰めます。
この際、どのような割水を使うかも泡盛の風味に影響しますので、各酒造所はそれぞれ工夫しています。

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